第1章

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ふっと思い立ち、今日から毎日どこかで演奏するという日課を自分に課すことにしました。 たった一人で、クロマチックハーモニカだけ持ってどこでも演奏します。 思えば僕の音楽のキャリアは、ストリートで得た経験が大きな基礎になっています。なぜそこでそんなにしてまで音を出すのかという根源的な問いは、ステージでもそのまま当てはまると信じています。 だから僕は他の人と違うとよく言われるのでしょう。いい意味でも悪い意味でもよく言われます。そしてそれはとっても大切な事だと、大事に育む必要があると、ちゃんとわかっています。 今日は夕方7時頃、誰もいない長岡の公園で、思い付きでふっと湧いたフレーズを繰り返して吹いてみました。雲が半月を時折隠し、蝉が夏の終わりを認めないとばかりにヤケクソ気味に鳴いています。曲が出来ました。「セミファイナル」とでもしておきましょう。 20分くらい吹いたところで、鳥の大群が羽音を立てて通り過ぎていきました。ちょっとたじろぐほどの勢いで、「お前もう帰れ」と言われているようで、まあ帰る事にしましたが。 さて、なんでこんな事を始めたかと言いますと、僕が今考えている事を証明したいんです。それが何であるかはまだ言えませんが、とにかく上手くなりたい。自由に吹けるようになりたい。 そしてそれは意味を持って決着をつけなければいけない。ただやって終わり、上手くなって終わりじゃなく、ハイ証明終わり、ほう、なるほど、そういう事ね!とあなたが納得するところまで持っていきたい。 また明日。
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