ヴァルフリート

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「お、目ぇ覚ましたんだな」 「なんじゃ、もう少し大きくなるかと思って期待しておったのに」 やけに暢気な声でハロルドの後ろからひょっこりと顔を出した人物に、ヴァルは叫んだ。 「丸子 清一(マルコ セイイチ)!?」 「本名で言うな。あとアクセント間違えるな、そこ大事だから。ん?つか俺名乗ってなくね」 首を傾げるマルコにレーヌが答える。何故か誇らしげだ。 「異世界勇者の名前などヴァルフリートがその目で捉えるのは造作もないことよ」 「え、つまり見ただけで名前がわかるってこと?」 「左様で」 「すげぇけどイマイチ凄さの伝わらない能力だな」 リアンに押し倒されているヴァルをスルーして盛り上がる3人。誰かひとりくらい手を貸してくれてもいいと思うのだが。 「誰か状況を説明してくれ…」 起きたばかりだというのに、もう疲れを感じるヴァルであった。
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