婚約者のパラドックス

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「つかそんなんに何で瑞希さんは引っかかったんですか?」 瑞希さんはむぅっと膨れて言った。 「しょーがないじゃん。うっかり可愛いとか思っちゃったんだから。なんか真面目そうだし、超汗かいてたしテンパってたし。お茶くらいならいいかなーって思ったんだもん」 「じゃあお茶の時にバッチリリードして名誉挽回、みたいな?」 瑞希さんは顔をしかめた。 「いや。なんかお茶誘ってきたけど、喫茶店でも超テンパってて、アイスティーにミルクやらレモンやら全部ぶっこんで飲んでた」 やらかしそうだけど我ながらキモい。 「キモすぎ! なんで付き合ったの??」 クスッと笑って瑞希さんは答えた。 「えー……なんか、すっごい一生懸命でいいなーみたいな。タイミングが良かったのかな? あの時の私、元カレに振り回されて疲れてたから。真っ直ぐな翔ちゃんがいいなーって。実際付き合ったらすごくすごく大事にしてくれて」 なんかいい話っぽいけど一応未来の彼女の元カレの話とか聞きたくなかったんですけど。心狭いな……俺。 瑞希さんがズズィっと寄ってきた。 「それより! あんたの好きな子の話よ! 今、誰が好きなの? お姉さんに白状しなさい!!」
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