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「少なくとも今まで会った女の人の中で一番可愛いし、将来付き合うのかと思ったらすっごくたまんないし生きる気力になります。好きです」
瑞希さんが俺のことをポイッと突き飛ばした。壁に背中を強打する。
「……ッぐ……」
瑞希さんが自分の両頬に手を当てて言った。
「やだー! どういうこと? じゃあフったんじゃなくて、翔ちゃんは初めて私の事を見た日からずっと好きって言いたかっただけってこと? 悪いことしちゃった」
「悪いこと?」
瑞希さんはバツ悪そうに「内緒」と言った。
未来の俺、生きてるか?
瑞希さんは凶暴で感情的にバーッと突っ走る。でも……こんな俺のこと好き好きってなってくれて、俺と別れたらわんわん泣いちゃうくらい好きなんだよな。
好き、か。
ぶん殴られるの覚悟で俺は瑞希さんの手をそろそろと握った。しかし瑞希さんは怒るでもなく、普通に笑って言った。
「どうしたの? 翔ちゃん」
「いや……」
自然。当たり前か、付き合ってんだもんな。両想いだし。俺が笑いかけると、瑞希さんもにっこり笑った。
あれ? これ、いい感じじゃないか?
「瑞希さん、1つ名案があるんですけど」
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