第一章

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ーーーStarGirlーーー 分からない。本当に分からない。理解できない。まあ理解したくもないが。 なんでこんな状況なのか理解したくない。いや、本当は分かってる。理解している。でも本来ならばこんな事にはならないはずだったと思うのだが。 「返事は!はい、Yesどっちだ!」 どっちも同じだと思うのだが。 「さっきからなんで一言も話さないのだ!口ぐらいあるだろ?!返事ぐらいするべきだ!」 ぎゃあぎゃあきーきー。 はぁ……うるさい。女の子らしい高い声が耳に響く。正直言って面倒だ。いつものように適当にあしらってお帰り願うとしよう。 分かった分かった。やってやるよ。やってやるから広いとこでしようぜ。危ないからな。案内してくれよ こう言った瞬間ものすごく嬉しそな顔になった。こんな可愛らしい女の子を騙すと流石に罪悪感が……沸かないな。 「お!とうとうやる気になったか!任しておけ!とっておきの場所に案内して殺る!さあ行くぞ」 ずんずんと彼女は歩いていく。 ……なんかおかしかった。このままついて行くのはとても危険な気がする。 ついて行く気など全くないが。 彼女がこちらを、後ろを気にせずに歩いていくのを確認すると回れ右して俺は彼女とは正反対の方向へ歩いていった。 それにしてもこんな簡単に騙されてくれるとは。本当にバカで助かった。賢そうな雰囲気あったのにな。人は見かけで判断してはならないとは本当みたいだな。 いやー助かったと言いつつ歩く。彼女から離れるように。 とりあえずここから離れよう。いつ気付くか分からんしな。戻って来られてまた絡まれたら嫌だし。
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