一両目 秘境駅

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「小和田駅は車で行けない場所にある。駅の周囲は何もなく、徒歩数十分のところに民家が一軒あるのみで、そこの住民だけが駅を使う。その一軒のために小和田駅は存在していると言ってもいい。だからもしその民家がなくなったら、もう停まる必要はなくなるだろう。廃駅になることは大いに予想できるね」 「車では行けない駅で、たったの一軒だけが使っている駅ですか」 ウサミミにはその状況が想像つかない。 「郵便局員もその家には飯田線に乗って届けるんだよ」 「ええー!? つまり郵便局も、銀行も、コンビニもないところですか!?」 「ない!」
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