一両目 秘境駅

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「一番近い別の村落との間には、険しい山道があり、車は無理。バイクも無理、歩くしか手段がないが、距離もあり、行き来が難しいため小和田駅を利用しない。そういうことでそこには本当に人がいないんだよ」 「分かりました。まさに秘境ですね。でも面白そうです。私も行きたいです」 曳野はそれでも困った顔のままだ。 自分の我がままがそこまで曳野を困らせているのか? 秘境だ秘境だと言っても、鉄道で行けるのに? 「秘境でも大丈夫です。私も連れていって下さい」 ウサミミが言い張るので、曳野は勧めない理由を説明した。 「女の子に勧めない理由がその駅にはある」
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