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俺の夢は、映画監督だった。
元々親父の影響で映画を見るのが大好きだったのだけど、中学生の時我が家にハンディカムが導入されたのをキッカケに撮る方に目覚めた。
高校に入ると必死にバイトし金を貯め、かなり良いカメラも手に入れた。元々あった演劇部を抱き込み新たに映画部なるものを立ち上げると、青春の全てをかけて活動した。
そんな俺の夢を打ち砕いたのは、大学の映画サークルで出会った安田という男だった。
後に新進気鋭の若手監督として活躍する事になる安田の、稀有な才能とセンスと技術は、映画が好きというだけで平凡な俺のちっぽけなプライドをズタズタにした。
そんな訳で道半ばにして夢を諦めた俺は、保険のつもりで取っていた教員免許を有効に活用。教師として働くようになり、現在に至るのだ。
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