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「あーっ。疲れたぁ」
カメラとその他の機材を後藤の車に積む。
「お前、体力無くなったなぁ。オッサンめ」
すでに疲れきっている俺に比べ、後藤はあれだけ走って動いたというのに涼しい顔をしていて、まだまだ余裕といった様子だ。
オタクの癖に頻繁に山に入っている後藤は、憎らしいほど良い身体をしていた。
俺はあのあと結局後藤の誘いに乗り、後藤の所属するサバイバルサークルの『プロモーションビデオ撮影』なるものに付き合った(一体何のプロモーションなのかは全くもって不明だが)。
それは、今日やらなくても良いような事務作業を惰性でこなすよりも割りの良い謝礼を提示されたから。
……簡単に言ってしまうと、給料日前で懐がピンチだったのだ。
「ちょっと俺、コンビニで飲み物買ってくる……」
アラサーに突入してから普段気にしてカロリーゼロを飲んでいるけど、今日は欲望のままに普通のコーラを飲むぞ、俺は。
それくらい、もうクタクタだ。
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