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「何をしている!!」
懐中電灯を私に向け、その男は叫んだ。警備員の人だ。
「ちょっと何してくれるのよ!」先ほどまで居た四人の花子さんはもうすでにいなくなっていた。逃げ足が速い。
「な、何のことだ!」
男が再び叫んだので、私は溜息をつきながら、男に名刺を渡す。
「GH?ゴーストハンターさんかい?」男は名刺と私を交互に見て話す。
「せっかく、4区の花子さんたちを一気に捕まえるチャンスだったのに」私は拳を握りしめた。おそらくこれで私のこともばれてしまっただろう。私の前にはもう姿を見せないはずだ。
「いやー、すまないねー」と男はへらへら笑って話す。
「全く。仕方ないわ。とりあえずこの学校の花子さんは捕まえたのだし」そう言うと4階に閉じ込めている花子さんが気になってきた。
そろそろ解放してあげなきゃね。きっとまだ利用できるだろうし。怒ってなきゃいいけど。むしろ泣いているかもね、私と同じように今月来たばかりだと言ってたし、まだ誰も驚かせていないと弱音も吐いていたし。
心配になったので男から名刺取り上げると急いで教室から出ることにした。
「警備、しっかりしなさいよ。私簡単に入れたんだから」そう言って、私は男を残し教室の扉を閉めた。
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