第1章

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教室の戸を開けたら、そこには女子高生たち、いや花子さんたちがすでに集まっていた。教室の中央に集められた、5つある机にはすでに4人が座っている。 「あら、あなたは東山高の花子さん?今月から赴任だったっけ?」 一番近くに座っていた、髪の長い女性が話しかけてきた。 「ええ、初めまして」さすがに少し緊張する。 「初めまして!私、酒井あかね。山下高の花子さんよ!よろしく。なんか笑っちゃうよねこの自己紹介」他の三人の花子さんもあははと笑う。幽霊の割には明るい。 「あ、私は東山高の林ほのかです。よ、よろしく」私も自己紹介をする。 「ほのかちゃんかー。良い名前だね!」酒井あかねは妙に馴れ馴れしかった。 みんなの簡単な自己紹介を終え、教室の時計を見ると深夜2時まであと5分あった。 今日は深夜2時から、2か月に一度各区ごとの花子さんが集まり会議を行う日、通称「トイレの花子さん会議」である。私たち4区の高校は全部で5校ある。ちなみに中学は4校、小学校は6校あるらしい。本日は各学校でそれぞれ会議を行っている。 「そうそう聞いた?7区の花子さん!教師と付き合っているらしいよ」えー?嘘でしょ、何それ何それ!と騒ぐ。花子さんと言っても女子高生なのだ。恋愛の話は一番盛り上がる。正確に言えば生前は女子高生、というべきだろうが。 「しかも、教師は生きてる人らしいよ!!」きゃー!と盛り上がる。私もそれには興味深々だ。そんなことがあるのだろうか。ぜひとも今度会って話してみたい。 「なんかいじめがきっかけで・・・」と話し始めた時にチャイムが鳴り、私は飛び上がりそうになる。2時なったのだ 「チャイム、鳴るんだ」良いのだろうか。 「雰囲気出るでしょ?」と山吹高の関山みゆが舌を出す。 花子さん会議が始まる。
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