第1章

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話題は全部で三つだった。 一つ目は「適度に驚かせるためにどうしていくか」 これは3区が生徒を驚かせ過ぎたので、今となっては恐怖になってない、という事態が起こってしまい、私たちも気を付けなければいけないということだった。 「うちの学校も人体模型の山田がなー、あいつ張り切っているから」酒井あかねが文句を言う。 二つ目は「初代・花子さんについて」 これは一区の花子さんが、初代を見た、という報告があったからだ。でもそれ以上に情報はなく、もうとっくに成仏したんだよね、それがほんとだったらやばいよね、と私たちに恐怖心を与えただけだった。初代はやばい、というのが花子さん、いや学校の怪談界においての常識となっているのである。 そして三つ目は「ハンターが4区に現れたらしい」ということだった。 「しかもさ・・・」と玉山高の佐々木みよが口を開くと、どこかで物音がした。 「え、今の何?」全員が身構える。 廊下から足音が聞こえる。こっちに近づいてくる? 「東山高に転校してきたやつらしいよ」佐々木みよが先ほどの続きを話す。 「ほのかのとこの学校じゃん。ってか今いるこの学校じゃん!」酒井あかねが私を見る。 足音が大きくなる。 「ねえ、この足音の・・・」 誰かが呟いた時だった。 私たちのいる教室の戸が乱暴に開かれた。
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