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ともまあ、アデルは迷惑極まりないファンたちをなんとかあしらいつつ、己が家に到着していた
そして、全身に汗をかいていたので荷物を部屋に下ろし、風呂場にへと直行する
制服を脱ぎ捨て、脱衣籠にシュート。見事に入る。三点
ガラリと戸を開けると、もわっと蒸気が身を包む。どうやら風呂はもう湧かせて合ったらしく、アデルは上機嫌になる
余談だが、アデルの肢体は男にしては全体的に線が細い。そして白い雪のような身体を覆うように深紅の長髪が伸びている。ちなみにこの髪色は遺伝だ
その長髪の後ろには滑らかな背中が、背中の下にはくびれた腰が、そしてくびれた腰の下には見事な曲線を描く臀部が
あとこれは関係ないのだが、腰のくびれって男でも発生するらしい
だが、哀しいかな。アデルは美少女ではなく美少年なのだ。もっと俗っぽい言い方をするなら男の娘なのだ。しかしそれが良いという変た……紳士もいるだろう
さて、描写はここまでにして、そろそろお風呂タイムと行こう。アデルは一糸纏わぬ全裸となり、湯船に浸かる
「ふう……気持ち良い……」
ため息をつく時が若干色っぽいですアデルさん。そして濡れた深紅の髪が背中に張り付いてなんとも言えない妖艶さ。良いぞもっと見せてくれ
とーーアデルは窓の外に何か、輝く二つの光を見た
「何だ、あれ?」
その光は線を描いており、時折それらは離れては衝突を繰り返していた
「飛行機の光……とかじゃないよな。じゃあUFO?」
それもないかとも思い、窓を開けて空を見上げる
「んー……よく見えないなあ……あ、そうだ。電気消せばもっとよく見えるかも」
我ながら名案を思いついたとアデルは浴室から一旦出て、電気を消す。
そして戻って空を見上げてみると、二つの光は互いに激しく輝いたかと思うと、不意に片方の光が消えた
「あれ?見なくなった……?」
が、それは間違った認識であったことをアデルは知る 。星が瞬く夜の空にまた新たな光点が生まれたのだ
それは眩き紅色の点。最初こそは小さかったが、やがてそれはーー
「あ、あれ……なんか大きくなってる……?」
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