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(5)かわいいもの
森の木々が赤く染まる頃、リクはルイさんが、去年取っていったあけびを、喜んで食べくれたのを思い出し、ライと2人で採りに来たのだ。
ライ「この辺は、この前採りに来ていたみたいだぞ」
リク「そうか、じゃあ、もう少し奥にいってみるか?」
30分ほど歩くと、あけびを発見した。
リク「いっぱいある!!」
ライ「いっぱいとっていこうぜ!お、あそこには、きのこがいっぱいあるぞ!」
リク「すっごい!!たくさん採って行こう!!」
2人はそれぞれの袋に、沢山のアケビと、キノコを入れていった。しばらくすると、ガサガサと何かがこちらにやってくる!!
リク 「ライ、何か来る!!急いで逃げよう!!」
ガサガサと音が鳴る方を見ると、木々の間からかわいいうり坊が、こちらをみていた。
ライ 「こいつ、すっごくかわいいなぁ!なに、あのつぶらな瞳!!」
『あ~また始まった!ライのかわいい物好き、これが始まると、長いんだよなぁ~』
ライ 「あ~もう少し近くにきてくれないかなぁ(●´∀`●)」
ドドドド・・・
何???
リクが、後ろを振り返ると木々の間から、猪が!!!
ライ「にげろー!!」
2人はあわてて走り出す。
リク「ライ!うしろ!!」
後ろを見ると、目を血走りながら追いかけてくる猪・・・小さな木に登れば体当たりしてくるし、丈のある草の上を、飛び上がりながら追いかけてくる。
小さな川に架かる木の橋を渡ると、リクは後ろを振り返り、橋を渡ろうと追ってきた猪にめがけて小石をなげた。何個か投げるうち一つが、目にあたり、猪が橋から落ちていく。
リク「はぁはぁ・・・今のうちに帰ろう」
ライ「ごほっごほっごほっ・・・」
リク「大丈夫か?
まったく!!ライのせいだかんな!かわいいもの好きも、程々にしてくれよ!」
ライは、返事が出来ず、うなずきながら、手でごめんのポーズをとった。
リク「はぁ、まぁとりあえず、帰ろう」
袋を肩にしょいなおして、歩き出す。あけびは、ルイさんにとっても喜んでもらえた。よかったぁ。でも、その後の事を、冗談まじりに話してる途中で、ルイさんの顔見ると目が笑ってなかった。次の日、外に行くとライが木にくくりつけられていて、気絶していた。顔や頭には青あざがあり、痛々しかった。なっ何があった?何があったか怖くてきけなかった。
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