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ジグソーパズル
教室の戸を開けると、そこには、
ジグソーパズルが落ちていた。
(誰か落としたのかな?)
周りを見渡したけど、誰もいなかった。
ボクが一番だったようだ。
(これ、どうしよう)
ボクは周りを見渡した。
当然だけど、教室の中には、なにも変わりはなかった。
この本の表紙の左上の1ピースがないことは
知っていると思うけど、そんな面倒で、ややこしい設定は、
迷惑がかかるし、ずるいと思ったので、
やめておいた方がいいと、本能で作者が思ったので、
関係はなかった。
(だれかいるのかな)
気にしなくていい。
(そうなんだ)
素直でいい子だな。
(ありがとう)
これは、ボクが預かっておこうと思って、
机の中に片付けた。
みんなが、登校してきた。
今日の授業は全部終わった。
(あー、なんだか疲れちゃったな)
ボクは両手を挙げてひとつ、伸びをした。
(帰ろうか…)
ボクは、机にしまっていた教科書をランドセルに
片付けた。
ふと気が付いた。
ジグソーパズルのワンピース。
給食の時に、みんなにこのジグソーパズルの1ピースを
見せたけど、誰も知らないって言ってたな。
ピースの色は、茶色と白の二色で、
左右のちょうど中間で、色が分かれている。
(どうしよう)
ボクは置いて帰ろうかと思ったけど、ボクが預かって
おこうと思った。
ランドセルの、小さいポケットに入れた。
(さあ、帰ろう…)
ボクは教室を出た。
みんなは走って帰っている。
(ボクはゆっくりでいいや)
下駄箱で靴を履き替えた。
外はいい天気だ。
ゆっくりと校庭を横切って、校門を出た。
校門を左に曲がって、まっすぐ歩いた。
信号がある。
赤信号だった。
信号が変わるのを待った。
(ここの信号長いんだよな、別にいいけど)
ボクはあまりじっとしていることが好きじゃないんだ。
だから、ずっと立っているのがイヤなだけなんだ。
信号が青に変わった。
ボクは左右を見て、ゆっくりと渡った。
商店街を抜けて、右に曲がる。
家がきちんと並んでいるところに出た。
ボクは真っ直ぐに歩いた。
玄関の門を開いた。
「キィーーー」
(いつも、イヤな音がするなぁ)
今日も誰もいないはずだ。
首から提げてる、家の鍵を取り出した。
鍵を開けて、扉を閉めて、扉をロックした。
階段で二階に上がった。
右手のドアを開けた。
(今日は宿題、多いな)
ボクは宿題を始めた。
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