第1章

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一朗くんに会いに行くには、いくつか条件があるらしい。 まず、16日の夜という事。これ絶対条件。そして場所は旧校舎の1年6組の教室。 教室の戸を開けるタイミング。 時間は定かでないが、何時何分の分は16分である事。 もし一朗くんがいたら、一朗くんが振り向くまで話し掛けてはいけない。 そして最大の注意点は一朗くんに言ってはいけないNGワードがあるらしい。 「おいっ…NGワードって何だよ…」 「あ~何かさ…大丈夫?とか言ちゃっダメみたいよ。だってさ事件とか巻き込まれて大丈夫なわけないじゃん。噂だと一朗くんどっか血ぃ流してるらしいし。」 「…うっかり言っちゃったらどうなるんだよ?」 「無事に帰ってこれないらしい。ってかさwあくまでも噂じゃん?何wwもしかしてビビってんの?」 「はっ?バカ言ってんなw俺らがビビるわけないじゃん。」 「あ~そう言えばさぁ…5、6年前?学生が二人行方不明になったとかあったじゃん。それってさ…一朗くんに会いに行って…みたいな説もあるよね。」 「……」 「…まあ、何だ、…あれだ。噂だ。俺達の学校だから、ちょっとリアルっぽい気もしなくもねぇけど…まあ、噂だし…会いに行かねぇしな。」 「おぉ…そうだな」 ったくよぉ!! 何て話しやがるんだよ!!この女子達は!!どうせならもっと遠くの想像もつかない県外の話しろってぇの!! みんなで笑い飛ばして話題を変える。 それでも俺達は何だか[16]が気になって話はまた一朗くんにまつわる[16]について盛り上がってしまった。
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