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逃げ場をなくした俺達は出口から逆のベランダの方に走った。
一朗くんは、ゆっくりと俺達に近づいて来る。
タクが机を押して壁をつくる、それにマサとヒロと俺が加勢する。
だけど一朗くんは、その机さえも一瞬で弾き飛ばして。教室の中は机が宙を舞い、机の中のプリントやらノートも机から飛び出して、床に叩きつけらる机と共にバサバサっと落ちていく。
あまりの恐怖に俺達は顔を強張らせる。
「…に…がさ…な…い…… …か…え…さ……」
低い声で俺達を追いつめてくる…
黒板消しにチョークまで俺達目掛けて飛んでくる。頭を手で覆いながら何とかかわす。
今度は椅子が飛んでくる…あり得ない状況に頭がついていかない。
タクがこっちだ!!と声をあげる。
掃除用具が収納されてるロッカーの裏に逃げ込む。
それと同時に聞こえるけたたましい音。
ガシャン!!バン!!ガシャン!!
ベコっ!!ボコっ!!
ロッカーのへこむ音が更に恐怖を募らせる…。
このままだと俺達…生きて帰れないかもしれない…。
一朗くんは、ポタッ…ポタッ…と血を垂らしながら…すぐそこまで来ている。机が飛んできたら終わりだ。そう思っていると机がガタガタし始めた。
嘘だろ!?何とかしないと!!
迫り来る恐怖にパニクる頭で考える…。
さっき飛ばされてひっくり返ったり倒れたりしてる机はガタガタと音を立てながら宙に浮き始めてる!!
俺は思い切って一朗くんに話し掛けてみた。
「あ…あの…貴方は…
……いっ…い…一朗くんですか?」
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