第1章

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俺の声に反応したのか、一朗くんの動きが止まった。 それと同時にガタガタ動いてこっちに飛んでくるはずだった机もガタンと床に落ちた。 「あ…あの…いっ…一朗くんですか?」 「…い…ち…ろ…う……?」 何か一朗くんの様子が変だ。 「おい…ハル。もしかしてこいつ自分が誰かわかってねぇんじゃ…。」 「ああ。怒りや怨みとかに、のみ込まれて我を失ってる感じみたいだよな…。」 状況が少し理解出来てきて、恐ろしくて怖いのは変わりないけど少し落ち着いてきた。 俺達は打開策を考える。 一朗くんが自分が一朗だとわかれば何とかなるかも!? 「と…取り敢えず、話し掛けて攻撃されないように気を逸らそうぜ。」 「わかった。」 俺達は顔を見合わせて強く頷いた。 一朗くんがどうしてこんなになったのか理由は分からないが今は出来る事をやるしかない!! ってか、何話せばいいんだよ…! 挨拶か?そうだな…まず、挨拶だな…。 「は…初めまして…俺はハル。みんな同級生だよ。」 みんなも俺に続く。 「お…俺はタク。これって、…現実だよな…。」 「お…俺はマサ。と…突然邪魔して悪ぃな…。」 「お…俺はヒロ。ビビ…ビビビビってなんかいねぇからな…」 「あ…」 一朗くんが何か言おうとしている。 俺達は、固唾を飲んで言葉を待つ。 !その時!! ?えっ!!! …何だこれ!! 何が起こってる!? 俺達の意識の中に一朗くんの思念がダイブしてきた…。
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