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「……あ、はい。どうぞ」 ぎくしゃくとしながらドアを開き、エスコートするように中へ促すと、女性は 「ありがとう」 と微笑みながらドアをくぐった。 「……」 上品に歩く女性を眺めるあたしは、この来客が便利屋史上――と言っても歴史は浅いけど――最も残酷で悲惨な仕事を運んできたことになんて、まだ全然気がつくことなんてできなかった。
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