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淡々と告げるお兄ちゃんへひょいと肩を竦めて見せながら、絵馬さんは横に置いていた自分の白いバッグから――たぶん、ブランド品じゃないだろうか――一通の封筒を取り出した。
それを、無言のままお兄ちゃんの前へ差し出す。
「……それは?」
ほんの一秒ほど封筒を眺め、警戒するように問うお兄ちゃん。
「一週間くらい前に、私の元へ届いた招待状。得体が知れなくてどうすれば良いのか困ってるのよ」
「中を確認しても?」
「もちろん」
許可を得て、お兄ちゃんは封筒を手に取り裏返す。
「差出人が書いていないな。心当たりはないのか?」
「全く。差出人どころか、書いてある内容も意味がわからなくて……」
僅かに顔を強張らせ封筒を凝視する絵馬さんを一瞥してから、お兄ちゃんは躊躇う様子もなくその中身を取り出した。
「……?」
出てきたのは、手紙と思われる二枚の紙と、変なカード。
そのトランプと同じサイズのカードには、〈知識〉という二文字だけがプリントされていた。
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