プロローグ

4/13
前へ
/344ページ
次へ
           2 先天性白皮症。通称、アルビノ。 遺伝子の問題で生まれつきメラニンが欠乏し肌や髪の毛の色素が足りずに白くなるという、二万人に一人の割合で存在する特異体質。 あたし、白沼 マリネ(しろぬま まりね)のお兄ちゃん、白沼 恭一(しろぬま きょういち)はこのアルビノに当て嵌まる珍しい存在。 二十四歳、独身。身長は百七十八センチで、体重は五十八キロの痩せ形。 アイドル顔負けの容姿で、道を歩いているだけで男女問わずに注目の的になること日常茶飯事。 常に澄ました顔と冷静沈着に思われるその性格も相まって、周囲にはすごくクールな印象を与えがち。 でも、その実態は単に面倒くさがりで他人に振り回されるのが嫌いという自己中なだけだったり。 今だって、そう。 あたしに部屋の中の掃除を促されて機嫌を損ね、ごちゃごちゃした机の上に両足を乗せながらぶすっとしながら窓の外を眺めている。 何となく、の思いつきで突然始めた便利屋の仕事。
/344ページ

最初のコメントを投稿しよう!

538人が本棚に入れています
本棚に追加