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教室の戸を閉め、誰もいなくなった廊下で私を抱きしめた。
彼女のスーツからほのかに香水が香った。
悲しくて、哀しくて、涙が溢れる。
美奈が私の真似をしなければ、こんなことにならずに済んだのに。
彼女の胸で泣いた。
彼女が私を離す気配で顔を上げる。
目が合う。
「コピーが消えて良かったわね」
彼女は口元だけに笑みをたたえ、私の頭を撫でると先に教室へ戻っていった。
私は
教室の戸を開いた。そこには……
哀しみが漂っている。
End
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