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ボソッ
「……月乃…馬渕君と知り合いなの?」
ボソッ
「知らない。知らんぷりしてていいよ。」
構わず席に座る。
「え?!無視?!」
「おーーい千秋~なになにお前月山さんと知り合いなん?」
「つか無視されてるし」
ゲラゲラと下品な笑い声が聞こえる。
「うるっせーなー」
キーンコーンカーンコーンキーンコーンカーンコーン
1時間目のチャイムがなり奴らもわらわらと自分の席に戻って行った。
1時間目が終わり、まゆりが私の席に来た。
「月乃ー次体育だよね?体育館行こーー」
「あーい」
私の学校では体育は1.2組と3.4組が合同だ。
「今日バスケじゃん!楽しみ~~」
「文武両道とかホントずるいわ……」
「あ、零だ。」
「え?!どこ?!」
「ほら、あそこ、はじっこで集まってる男子の中にいるじゃん。」
「むむむ??ほんとだ!毎度ながら月乃って零君がどこにいても一瞬で見つけるよね。」
「そう?あいついつも1人だけ浮いてるからな~」
ボソッ
「零君のこと1番よく知ってるもんね…」
「零の周りだけ温度が低……ん?なんか言った?」
「ううん!あ、ほら!ゲーム始まるよ!」
ピーーーーッ
1組男子対2組男子。試合開始のホイッスルがなり、ゲームがスタートした。
ピーー
早速誰かが入れたようだ。
キャーーーーーー!!!!零君かっこいーー!!!!!
いつものようにギャラリーでは1組の女子たちが男子バスケの応援をしている。というか主に零目当てだ。
「相変わらず零君は人気者だねぇ~」
「ほんとだよ、あれだけいたら選り取りみどりだろうにもったいない」
「……零君ってさ…好きな人とかいるのかな…?」
「さぁーーどーだろ、あいつの口から女の子の話とか聞いたことないわ。」
私の幼馴染み、霜月零はモテる。昔っからモテる。確かに切れ長の目にスッとした鼻、薄い唇、髪は黒く、何故か目にかかるほど前髪を伸ばしているが、女子曰くそれがまたミステリアスでいいらしい。確かにスポーツは得意だが無口で愛想が悪く、笑顔もなく、前髪は切れと言いたいし、私には何がいいのか分からない。
ピーー
また零がきめたのか。
キャーーーーーー!!!!!千秋様こっち向いてぇぇぇぇ!!!!
…………あいつか。
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