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彼女の顔が真っ赤になった。
‥‥ヤバイ‥‥マジでヤバイ‥‥
夕日に照らされながら涙をこらえるように顔を真っ赤にする彼女は‥‥結構キタ。
彼女をもっと怒らせてみたい、いじめたくなる衝動と闘っていると
「そこ、通して。」
怒らせちまった。
彼女は俺を押し退けて中に入る。
彼女ともっと話したくていろいろ話しかけるが、そっからは完全に無視。どうやら本当に物理の教科書を探しているようだ。ガサガサと彼女が机を漁る音だけが、既に日も落ちかけ薄暗い教室に響く。俺はその辺のイスに座って彼女を眺める。‥‥かなり苦戦しているようだ。どーなってんだあいつの机は。何に使ったのかも分からないぐしゃぐしゃになったプリントが次々と机の上に放り出される。
‥‥眠くなってきた。
「‥‥ん‥‥」
視線を感じて目を開ける。
次の瞬間、俺は彼女の頭の後ろに手を回し、引き寄せ、気づいた時には唇に柔らかい感触があった。
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