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月山月乃side
気付いた時には風呂にも入り、私はベッドの中にいた。
‥‥あの後‥‥‥‥
私は固まって動けなかった。
‥‥今、ん?何が起きた?おいおいおいおい
「私のファーストキス!!!!!」
じゃなくて
「いきなり何すんのよ!!!」
涙目になりながら怒鳴る。再び顔は真っ赤になっていることだろう。
しかし奴はまだ寝ぼけているのか、目はとろんとし眉を潜めている。
「~~~!!!」
私はカバンを握り直し教室を飛び出した。
そこからのことはよく覚えてない。既に日は落ちきり月明かりだけが照らす夜道を全速力で家に帰り、母が何か怒鳴っていたような気もするが、気付いたら今の状態だった。やっと落ち着きを取り戻し、再びこみ上げてくる後頭部に触れた彼の手の体温、唇の感触。羞恥のあまり悶え死にそうだ。
よし、今日のことは全て忘れて寝よう。無心になるのだ月乃。
ようやく体の熱も引き、疲れがどっと押し寄せ、意識が朦朧としてきた。
あ‥‥またあの日の夢だ‥‥
そこで私の意識は途絶えた。
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