出会い

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その言葉にゾッとする。 「なータケルーこいつ俺らでもらってもいー?」 タケルと呼ばれる昨日の男の兄とやらが答える。 「おーいーぜ。あいつにも頼まれてるし。もー一生生意気な口が聞けねーようにしてやれ。」 「ラッキ~♪」 こちらに手を伸ばす2人。 私の頭は恐怖で真っ白になった。 逃げなくちゃ。 本能がそう告げる。私は震える体を抑えつけ、男たちの隙間を潜り抜けて全速力で駆け出した。 「うおっ」 「テメー!!!!!」 しかしやはり相手は高校生だ。すぐに追いつかれ、左腕を掴まれる。 「痛っ」 「舐めた真似しやがって!!!おい、もーこいつやっちまおーぜ!!!」 ドンッ 地面に押し付けられ手足を拘束される。 タケルという男は少し離れたところで腕を組み、薄く笑いながらこちらを傍観しているようだ。 誰か助けて!!!ーーーー 堅く目をつむり、服に手をかけられたその時、 ゴンッ 「うっ……」 何かで殴ったような鈍い音が聞こえ、目を開けると、私の服に手をかけていた男が隣に倒れ込んだ。 「?!?!誰だテメ ガンッ 間髪入れずに再び鈍い音が路地裏に響く。もう1人も倒れ込んだ。 薄暗いため顔は見えないが、シルエットから男だと分かった。片手には鉄パイプのようなものを握っている。 助かった… 私は安心してしまい、完全にアイツの存在を忘れていた。 「!!!危ない!!!」 背後で大きな影が刃物のようなものを振り上げていた。 「?!」 私の言葉に彼が急いで後ろを振り返ろうとした時 ザシュッ 「ぐぁっ……」 ピッ 右頬に生暖かい感触。恐る恐る手を伸ばし、ソレが血だと理解したのを最後に、私の意識は途絶えた。
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