第1章

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気味が悪かった。 今すぐこの場から逃げ出したかった。 しかし、それは許されない。許してくれない。 「だって、鍵はかかっていなかったから」 そう。鍵はかかっていなかった。 もう、ここまで読まれているのなら、説明して貰う必要も無いのだろうけど、悔しい僕は推理の続きを促す。 「そんな筈無いよ。鍵はかかっていた。日直がホームルームの後に鍵を閉めるだろう?それに、先生も確認するじゃないか」 「そう、だね。君の言う通り。鍵はかかっていた。そして、先生も確認していた。」 「じゃあ何で!!」 彼女の勿体ぶったその物言いにいい加減やきもきした僕は声を荒げる。 ただでさえ、この日の為に練り上げた計画が邪魔され内心穏やかではなかった。
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