第1章

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「鍵は、前の扉にしかかかっていなかった」 目の前が真っ暗になりそうだった。 否、既に夕日は沈み、暗い教室だったが。 かつ、かつ、かつ。 音がした。 「多分、用務員の見回りだと思う」 多分などと言ったが時間的に間違いないだろう。 今何時なのか正確には分からないが、もう時計すら見えないこの暗さが教えてくれていた。 いっそ用務員に見つかって怒られた方がマシなんじゃないかと思った。 そうすれば少なくとも、この場所からは逃げられる。 「教壇の下」 彼女は言った。
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