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悲しむ顔なんて見たくない。
こんな情けない姿を見せたくないのに、銃を突きつけられたウノが、目の前に連れて来られてしまった。
間近で重なる視線。
長く共に生きてきたあたし達は、ただ見つめ合うだけで、相手の気持ちを読めてしまう。
鏡のように映る、痛みと怒りと、深い深い悲しみ。
あたしの目にたまっていた涙が、ついに溢れこぼれた瞬間、それらの感情を収める器が決壊したウノは、獣のような唸り声を上げて暴れ始めた。
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