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「おはよう」
思わず死を覚悟した俺に、康夫はいつもと変わらない声であいさつする。
「…お、おう」
「何してるの? 入ったら?」
スク水姿のまま優雅に席につく康夫。
ちょ、マジで言ってんのお前!?
「_______このフィット感は、まさに神の芸術だと僕は思うんだ! ソレにこのリコーダーの使い心地は_______」
ガランとした向かい合う俺と康夫。
あと30分もすれば他のクラスメイトが登校してくるというのに、康夫はスク水姿のまま席に着きそのフィット感とそれがいかに芸術的インスピレーションを与えてくれるかを力説する。
その眼差しには曇りなどない。
山田さんのスク水を着用したことは、康夫にとってはあくまでリコーダー奏者としてインスピレーションを得る為の行為でありそこに性的興奮は愚か悪意などないのだ。
田港康夫。
俺の幼馴染で親友で才能に満ち溢れた若きリコーダー奏者。
馬鹿と天才はなんとやらと言うが、康夫はまさにそのタイプ。
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