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それからお見合いの席は穏やかに終わった。
向こうの人は私を気に入ってくれたのだろうか?
いや、まぁそこはいい。
私が気になるのは...
「なんであんな人がお見合い?」
そう。これ。
だってあんな人、どんな女の子も狙うでしょう。
女に困ってる様子は全くない。
「さぁ...でもいい人じゃない!?」
母はなんだかキャッキャしている。
「外面はそりゃ...でも中身は分からないし...とにかく私は断るから」
「ええ!?勿体無いわ。」
ものすごく残念な顔をしている。
「あの人どう考えても私と釣り合わないよ」
そう、あんな完璧人間に私のような凡人は...
でもお母さんは相手の高梨さんをすごく気に入っているようだ。
「なんでよ、美祐!
あんたはかわいいわよ!?
それにあの人は185㎝、東大出身、大企業の華清堂の社長でまさに3高!!」
「さ、さんこう?」
「高身長高学歴高収入!!!」
「は、はぁ...」
「こんな物件断ってどうすんの!?今までみたいなビンボー生活も終わり!ママを楽させて~!!!」
「...で、でも私はやっぱり好きな人と結婚したいし...」
「んもう...強情なところはあの人にそっくり...」
「ごめんお母さん、でも絶対いい人見つけてお母さんに孫見せるから...」
「そう...??
でもまぁ、ママは美祐の味方だから...美祐の好きなようにしなさい。」
結局、お母さんは私の意見を尊重してくれて、このお見合いは破断になるかと思われた。
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