74人が本棚に入れています
本棚に追加
家に連れ帰って真っ先に風呂へ直行した。
この生き物、明るい所でよく見るとそりゃあもうとてつもなく汚いのだ。
水が嫌なのか少し抵抗はされたが何とか宥めつつ丁寧に洗ってやると
見違えるとはまさにこの事で、美しい銀色の毛髪とその中に主張するかの様に存在している…猫耳?と、臀部にもよくよく見てみると尻尾?が有り、
普段から何事にもそこまで動じない筈の俺も流石に少しフリーズした。
何だコイツ…人型なのに猫耳と尻尾…
人間?猫?どっちかハッキリしろ!何か怖いし!つか何より困るし!!
などと考えていると、俺の視線に怯え震えて委縮している生き物の様子に気付き何だか無性に可哀相だなんて思えて…
「おい、お前…名前は?」
気付いたらそう問い掛けていた。
生き物はただ一言だけ「ない」とだけ答えて俯いてしまった。
呼び名が無いのは困るな…
ただでさえよくわからない生き物な上に呼び名さえも無いのではこれから色々と不便だ。
名前は俺が考えてやらないとな…
…って、俺コイツ飼う気満々かよ!
最初のコメントを投稿しよう!