ゴミかと思ったら…

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ミルクに練乳をタップリ入れ甘くし、人肌に温めて浅い皿に移し目の前に置いてやると、生き物は少し匂いを嗅いでからチロチロと小さな舌でミルクを舐めて夢中で飲み始めた。 やはり相当腹が減っていたらしい。 俺も鯖の缶詰を開封し温かい白米の上に乗せて一気に掻き込んだ。 少し物足りない気もするがあとは寝るだけだし我慢しよう… あぁ、そういえばあの生き物の名前は何にしようか…と本格的に考えだしたのは腹ごしらえと生き物の手当ても済み食器を洗っている最中で、肝心の生き物はリビングの端っこにまるで自分の存在を消すかの様に小さく小さく丸まって寝ていた。 皿洗いを済ませた俺は端っこで丸まっている生き物に近寄り頭を撫でてやりながら暫く名前を考え、やがて 「銀時…ってのはどうだ?」 問い掛ける様に呟いたその言葉に生き物は顔を上げ、クリクリとした大きな目でこちらを見てくるから、もう一度今度は生き物に向かって名前を呼んでやれば、生き物…否、銀時は小さく「ニャオ」と鳴いた。 どうやら気に入って貰えたようだ。 「お前の名前は今日から銀時だ…。」 フワフワな頭を撫でてやれば目を細めてコクリと頷き、こちらを見上げる紅い瞳を見詰め 「俺の名前は高杉晋助。宜しくな、銀時…」 俺からも自己紹介をすればまた銀時は小さく頷き、先程と同じように小さく丸まった。 少しだけ距離が縮まったか…? まぁ焦らなくてもこれから一緒に住むのだから時間は沢山有る。 ゆっくり慣れて貰おう。 その日はもうそのままリビングに寝かせておいてやる事にし、毛布を取って来て銀時にかけてやり俺は寝室に行って直ぐに眠った。
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