0人が本棚に入れています
本棚に追加
(まーいっか、ロッカーこっちだし)
途中のロッカーに忘れないように足を止める。どん、と背中に何かがぶつかる。と言っても、今はリウノ以外の人間は見当たらない。
「なんで急に止まるんですか!」
「だから着替えるんだってば、ちったー話聞いてくれよ」
「あー、そう…ですね」
やっとわかってくれたか、と胸を撫で下ろす。
「その格好不気味ですもんね」
「俺の仕事着バカにすんじゃねえよ」
っつかそっちかよ、と苦笑いしながらロッカーに入る。だが、五分もしないうちに出てきた。
「お待たせ」
「お早いですね」
「まぁ、脱いで着るだけだし、鎧ほど面倒なものじゃないしね」
「鎧じゃないんですか?」
「うん、俺らは基本紙装甲、俺は胸部のプレート一枚だけ。もっとつけてる人もいるけど、その人は他と比べ物にならないくらい怪力だからな」
改めて、ミカグラの洋服を上から下まで見てみると、それも良くわかる。無い、というほどでもないが、見た目と相応に細身の体型、少し厚手の灰色のパーカーにジーンズ、肩掛けのカバンには何かの模様が描かれた缶バッジがついている。
「なんか、学生みたいですね」
「みたいじゃなくて、そうだよ?俺らは騎士団以外に正体言えないからさ、普段は普通の人に紛れて生活する必要があるんだ」
「そうだったんですか…。因みに…おいくつ?」
「21」
(私より三つ下ーっ!)
最初のコメントを投稿しよう!