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「本日は10時からA社の多田専務との新商品の打ち合わせで――」
目の前でスラスラと手帳を見ながら今日の俺のスケジュールを読み上げる雪乃を見ていると、たまに夢ではないのかと思う。
一緒に仕事をして、しかも俺のほうが上司だなんて中学の時は考えられなかった。
中学の時はいつも雪乃に言われてばっかりで一言も言い返せなかったから――
「専務？」
「あ、あぁ……じゃあ時間が来たら教えてくれ。」
「はい、かしこまりました。では秘書室でそれまで待機しております。」
「……ちょっと待った。」
「はい？」
「今日の俺の最後の仕事はなんだって？」
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