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「財前君だって…幻滅したよね?あの頃の私はあんなに偉そうに財前君に色々言っていたのに、どうしちゃったんだろう、本当……」
「……幻滅したよ、本当に。」
動いていた雪乃の手がピタリと止まる。
顔はこちらを上げることができないようで俯いたまま――
昔の雪乃なら顔をいつもあげていた。
今の雪乃は昔の俺のようでいつも自信がなかった俺だ。
「そうだよね、不倫みたいなもんだもんね…」
「そうじゃない、俺はお前が一番になることを最初から諦めていたのに幻滅したんだよ。お前最初から諦めていたんじゃないか、一番になること。」
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