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「あ……あなた、お邪魔しては…。」
俺と雪乃が手を繋いだことに気づいたのは
若松の元妻だった。
「こちらこそ、お食事中すいません。雪乃、行こう。」
重い足取りの雪乃の手を引っ張って
無理矢理エレベーターの乗せた。
乗せたのはいいけど…雪乃にかける言葉がみつかならくて無言だった。
雪乃の手は小さいくて
指は細くて力をいれたら折れそうだったけど
ほんの少しだけ、ギュッと力を入れてみた。
今の俺じゃ、慰めの言葉も、抱きしめる勇気もないから――。
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