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「あの……」
雪乃の横顔は
困った顔をしながらも葛城部長の汗をかいている姿を見て
どこか嬉しそうで……
俺が雪乃だったら、きっと惚れているだろう。
「……行けよ。俺のことはいいから。」
「財前君…でもっ……あっ…」
まだ迷って一歩を踏み出せない雪乃の手を引っ張ったのは
葛城部長だった。
雪乃がどんな顔をしてあいつの後ろをついていっているのか
見るのが怖くて顔があげられなかった。
俺はどれだけ臆病な人間なんだろう。
社長の息子でイケメンでお金も地位も持っていて
人からみたら自信家に見えると思う。
だけど
雪乃の前では臆病になって…
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