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もうすぐあの日が来る。
葛城部長といつも決まった日にホテルで密会していた。
余計な連絡をしないように
いつも決まった日、決まった時間、決まったホテル
あのホテルにはいかない。
ホテルに行ったって
良いことなんてない。
自分や周りの人も傷つくだけ
『あの男の……二番目でもいいのかよ…』
財前君に言われた言葉が
胸に突き刺さってる。
一番にはなれない……
財前君のいう通りだ。
“ピンポーン……”
「はい……葛城部長……」
「開けてくれ。話がしたい。」
「……できません。帰ってください。奥様のところに。」
この間は言えなかったセリフが言えた。
ちゃんとしなきゃ…。
「雪乃――お願いだ、話をさせてくれ。」
忘れたいのに
どうしてこの人は忘れさせてくれないのだろうか。
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