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「え………クスッ」
「?」
「す、すみません。」
コーヒーが熱すぎて若松のメガネが曇って思わず笑ってしまった。
メガネが曇っていることは本人が一番分かっているはずだけど、何も言わず表情も変えずコーヒーを飲んでいる若松をみると突っ込みたいけど……何となく言いにくい。
〝カチャ……〟
若松の細長い指が目の前を横切った瞬間、完璧に見える若松の曇ったメガネのように突っ込んではいけないものを見たように感じた。
「……あなたは…」
「え……?」
「勘がいいんですね。」
メガネの曇りがとれて、優しく微笑む眼が見えてきた。
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