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簡単な引き継ぎを済ませ、僕は店を後にした。
燦々と煌めく夏の太陽は、朝方だというのに殺人的な熱波を放っている。
ギラギラと攻め立てる太陽にうんざりしながら、僕は自転車に跨がり東京帝王大学を目指した。
道すがらすれ違う高校生は大きなスポーツバッグを斜めにかけ、夏休みだというのに部活動へ精を出している。
僕には縁の無かった青春の一ページを垣間見て、少しばかりの寂しさが胸に宿った。
大学は僕の住んでいるアパートから一駅ほどの場所にある。
軽快にペダルを漕ぎ、二十分たらずで到着した。
サークル活動に出向いた生徒達に紛れ、自転車置き場からキャンパスを抜け、目的の研究室を目指した。
広大な敷地の一画にある建物は、明治時代からあるもので、茶褐色の煉瓦と巻き付いた蔦が歴史を感じさせる。
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