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記憶を保存できる期間は人により様々だが、僕は一生分を消せない映像として持ち続けている。
幼い頃の惨劇も、そのまま。
僕が麗華に依存しているのは、彼女が記憶を管理する管理者だからだ。
保存されてしまった嫌な記憶の殆どは、箱に閉じ込められ鎖を巻かれている。
EMDRという、 過去のあるイメージを思い浮かべながら治療者の指示にしたがって眼球運動をする治療法だ。
麗華による治療で、僕の中にこびりついた腫瘍は小さくなり、時おり思い出す程度にとどまった。
だから、僕は麗華の存在を何より大事に思っている。
彼女は彼女で僕に必要とされ過ぎることから、ある種の依存状態になっていた。
それが良いことなのか、悪いことなのか、今ではもう分からない。
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