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夕飯、寿司がよかったとか?
誠、食い意地すげぇから。
この小さい身体で本当に驚くくらいによく食べる。
眞子がそれを真似して好き嫌いなく、すっげぇ食うのはいいんだけど、腹がまん丸になるまで食べるから、ちょっと体重が気になったりもする。
眞子、女の子だし。
あと、考えられる膨れっ面の原因は。
「ハンバーグじゃなくて、カレーがよかったか?」
「! それもいいけど……って、違う! ふーんだっ!」
「なんだよ、言えよ」
今、ちょうど坂道の半分まで来た。
あと残り半分で誠の機嫌直るかな。
ここの道はすげぇでかいから車の通りも多いけど、そこを右か左、どっちかに曲がれば、小道だから、一瞬くらいなら誠と手繋げるだろ。
一瞬だけ。
「おっぱい星人!」
「……」
「実が巨乳だから見てた! 僕、おっぱいないしっ!」
めちゃくちゃ怒ってる。
それがすっげぇ可愛いのも知らずに。
「そりゃ、おっぱいくらい見るだろ。でけぇし。おっぱいでかくて、眼鏡して、んで、顔が誠とか見るだろ」
顔が似すぎでびっくりするくらい。
しかも初めて会ったんだ。お前の姉貴に。
「兄弟ってあんなに色々と似るんだな。俺は一人っ子だから」
顔だけじゃなく、笑い方とか話し方、それと髪のふわふわしたとこも、全部が似てる。
「でも、違う」
「?」
「俺の好きな顔も笑い方も話し方も、それとおっぱいも、全部、こっちの人」
「!」
たしかに似てるけど、それは似てるだけであって誠じゃない。
俺の好きな、俺の旦那様はこっち。
小さいくせに、この長くてへばりそうな坂道を立ち漕ぎで一気に上りきって、毎日学校に
通ってた、たくましい奴。
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