第13章 誓いの言葉

4/5
前へ
/99ページ
次へ
「俺が頼んだ」 「でもかっちゃん頑固だから! 僕がっ!」 「だからっ! その頑固なあいつに歓迎して欲しいんだろ!」 式で使う音楽。 曲繋げて、編集とか金出せばしてもらえるらしいけど、ふたりでそれもちゃんと繋げようぜって決めたんだろ。 招待状も手作りにしたんだ。 アクアっていう、結婚式から程遠い場所で俺達にしかできない式を挙げる。 だから、やることすげぇ多いけど、それが俺達の結婚式だろ? 式場が用意してくれた定型分で将来を誓うんじゃなくて、俺達の言葉で誓うんだろ? あいつに一番歓迎してもらいたいんだろ? お前がそう思ったんだろ? 「もう少し、連絡待とうぜ」 「……」 「来週まで、待とう」 そこまで待っても無理だったとして、もうすでにその時じゃ指輪を店で頼むのは難しくなってくるかもしれない。 その場で買って、文字も刻印してもらえないかもしれない。 ただの出店で買っためっきの安物とプラチナっていう差くらいしかない。 ただの物だ。 でも、あの写真を見て、それでもダメなら、それまでだって思うんだよ。 あいつを納得させられるって思ってるけど、もし、そうじゃないのなら、指輪をあいつに何年かけてでもいいからいつか作らせてやるって、そんくらい、俺は誠とのことをちゃんとしたいんだ。
/99ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1174人が本棚に入れています
本棚に追加