だから開けることにした

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教室の戸を開けたら、そこには“私”が立っていた。 目の前の“私”は、なんだかモジモジしている。 …トイレでも我慢しているのか? そんなことを思っていると、突然話し掛けられた。 「あの!…私と、付き合ってください!!」 なんと、自分に告白をしてきた。 私でありながら、大胆というか…いや、怖いほどの自己陶酔。 その光景に、後退りをする自分の足元を確かめる。 もちろん、この状況から逃げる為にだ。 見下ろす視界には、金色のボタンに黒いズボン… その先に、二つ上の学年を示す青いラインと靴紐の上履きが見える。 「え…?」 そのとき、初めて自分が“私”ではないことに気が付いた。
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