第1章

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「部の皆が楽しみにしてるんだよ、真央が県大会で優勝するの」 「やってみないとわかんないって」 「何言ってんのよ、地区予選で県の記録更新したんだから間違いないよ」 「わかった、わかったから・・」  段々声が大きくなる友人を宥めながら真央はドーナツの残りを口に押し込んだ。 「真央の彼氏さん、自分もボート部なら彼女の足引っ張る事はしないと思うけど、気をつけなよ」 「何を?」 「浮かれて練習中に怪我したり、タイムが落ちること無いように、って事」 「わかってる・・・ありがと」  真剣な目をした友人の顔を前に真央は口元をきゅっと引き締めた。  県大会まであと二週間と少し。それまではボートのことだけを考えようと真央は心に決めた。
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