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「まあ、だからこそ学校の七不思議と呼ばれるのだろうねぇ、キミの今言ったスポットは確かに学校の七不思議の定番スポットだぁ……故に、『不思議でも何でもない』……そうは考えられないかな?」
はあ? 一体どういう意味だろう?
僕にはナナ先輩が何を言っているのかまるで理解できない。
定番スポットだから不思議でも何でもない?
「分からないかなぁー? 本当の学校の七不思議っていうのはねぇ……『どこの学校にも絶対に存在する場所』なのに『学校の七不思議のスポットにはならない場所が存在する』ということなのだよぉ、そしてそれこそが本当の『学校の七不思議』……足を踏み入れたら不幸となる最後のスポットなのさぁ――」
どこの学校にも絶対に存在するのに
七不思議のスポットにならない場所がある?
果たしてそんな場所があるのだろうか――
ああ、そうこうしている間にも随分と長い時間話し込んでいたようだ。
気が付いたらとっぷりと日が暮れていた。
あれ? というか……もう夜じゃん!
いつの間に……
「うん、良い時間になってきたねぇー。じゃあ、キミをその『学校の七不思議のスポット』から外れた『真の学校の七不思議のスポット』へとご案内しよう」
そう口にするとナナ先輩が立ち上がる。
「ちょうど学期末テスト前だしねぇ、……お! もしかしたらキミたちが噂にしてくれている勉強を全くしなくても常に学年トップの成績を維持するこの『ナナ先輩の不思議』、その謎も解けるかもしれないねん♪ でも、足を踏み入れたことがばれたら絶対に不幸になるから注意していこうねぇー」
ああ、なるほど……
僕は理解した。
全国の学校に存在しながらも
学校の七不思議から外れている
その最後のスポット……
ああ、そこは……
良い子は絶対に足を踏み入れてはならない場所である――
―― 了 ――
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