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教室の戸を開けたら、そこには――
ああ、ここには今日も『ナナ先輩』がいる。
学期末テストを数日後に控え友人たちは皆、放課後は必死の勉強に明け暮れている。そうそうにドロップアウトを決め込んだ僕はいつものようにオカルト同好会に顔を出していた。
同好会の教室には今日も『ナナ先輩』が一人――
期末テスト前のこの時期だというのにまた呑気に漫画本を読んでいる。
これで毎回期末テストで学年トップの成績だというのだから驚きだ。
一応、仮にもうちは進学校である。
テストのレベルも低いわけではない。
授業にも殆ど顔を出ていないようだし……
ああ、本当に何者なのだろう――?
『ナナ先輩』って……
そんな、ナナ先輩の存在は我が同好会内で密かに『学校の七不思議』に数えられていた。
ふむ、『学校の七不思議』か――
僕はふと疑問に感じたことをナナ先輩に問いかけてみる。
「ねぇ、ナナ先輩! 『学校の七不思議』ってありますよね? 七つ目の不思議を知ってしまうと何か不幸が訪れるというアレ……あれってそもそもどうして『7つ』なんでしょうね?」
日本で不吉な数といえばそう、『4』や『2』とか……
海外だと『666』や『13』?
『7』という数字は……
そう、どちらかというと『ラッキー7』のような幸運をもたらす印象の方が強いように思える。
そんな僕の質問にナナ先輩は読んでいた漫画を放り出すと笑いながら答えた――
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