学校のナナ不思議

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「はぁ、何だい? キミはオカルト同好会に所属しているのにそんなことも知らないのかい?」  知らない、今まで考えたこともない。  でも物事には由来というものが必ずある。  僕はそれを知りたいと思った。 「良いかい日本にはその昔、寺子屋などの教育施設があった。それは知っているねぇ?」 「はい、それは知っています。江戸時代はそういった学習塾? ……の様なものがあったんですよね」  僕にだってそれくらいの知識はある。 「うん、うん。ではぁ、今の『学校』ができたのはいつか分かるかい?」  うーん……正確には分からない。  江戸時代が終わって…… 「明治時代初期くらいでしょうか……?」 「おお、正解! 凄いじゃないかぁ!」  えっ、まあ……適当に言っただけなんですけどね、でも、ナナ先輩に褒められて少し嬉しい。 「でもね、その最初に設立された『学校』には子供はいなかったんだよぉ」 「え? ……何でですか? 子供のいない学校なんて変じゃないですか?」 「ははは、別に変な話じゃなだなぁー、だってその時代、肝心の『先生』がいないのだからねぇ」  ああ、そういうことか…… 「つまり、最初にできた『学校』っていうのは子供に正しい学問を教える人材――『先生』を育てる為の機関だったんですね!」 「うんうん、そーいうことぉ……『師範学校』と呼ばれるものだったんだよぉ。それからいくつか『学校』が作られていったのだけどもねぇ。この時代はねぇ……子供の数に対して教師の数が圧倒的に不足していたんだぁ……」  へー、まあ、そうか……  明治といえば高度成長期真っ只中の時代。  子供も今よりずっと多かったはずだ――
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