1人が本棚に入れています
本棚に追加
「僕は夏が好きだ。何故なら、自分にとって夏は…」
教室に大きな声が響く。
今日は学校の一学期が終わる1日前…毎年自分たちの学校では夏とは何か作文を書く。とはいっても、原稿用紙一枚で良いという甘い制限だ。そんなに甘いのにも関わらず、皆の書く内容はよく似ている。偶然かもしれないが、真剣に書いた人の内容を写しているにしている奴らが半数を占めている。皆は夏休みにしたい事は何も思い浮かばないのだろうか?僕はいつも不思議に思う。
「はーい、これで全員終わりましたね~では下校しましょうか~。」
毎年この日は、作文が早く終わったクラスから早く下校する事が出来る。まぁ一枚だけだからすぐに終わるのだが……。
「ではまた明日~さようなら~」
「よし、帰ろう~」
僕の家は神社だ。だがそれほど人は来ないし、とても綺麗な神社じゃない。昔はよく友達にからかわれた。いつも帰る時は1人で帰る。昔はとても寂しかったが今は慣れたもんだ。いつものように家への道を歩いていく。よし、もうちょっとだ。僕は疲れの溜まった身体に鞭(ムチ)打って家の鳥居まで走った。
「ただいま~」
やっと休める~やったぜ~!
と思っていた。
突然、入る瞬間に鳥居全体に裂け目のようなものが出てきた!うわっ!
勢いをつけて帰って来たのから、自分は止まることが出来なかった。
「え?うわぁ~!」
自分は掃除機に吸い込まれていく塵のようにあっという間に飲み込まれしまった。
2話につづく…
最初のコメントを投稿しよう!